メンバーの中谷です。
私が暮らす奈良市山間部には、たくさんの野生動物が暮らしています。猪に猿に狸に鹿に・・・。
時々出合える動物たちに嬉しくなることも多いのですが、彼らは農作物を荒らす害獣として困った存在でもあります。
夕暮れ時には 山の方から鹿の鳴き声が聞こえてくることもあるのですが、たいてい声はあっちに行ったりこっちに行ったり、近くになったり遠くになったり。姿は見えなくても、声から鹿たちが山を駆け回っている様子が想像できます。
ある夜、鹿の鳴き声が
ところがある夜、すぐそばの暗闇から、キョーォォン、キョーォォンと悲しい声が全く動かず同じ方向から聞こえ続けてきます。
鹿の鳴き声の種類になんの知識もありませんが、助けてほしくて泣いているのは直感でわかりました。おそらく柵か罠か何かにひっかかっているのでしょう。
私はただただ「可哀相やね。仲間が助けに来てくれるといいんやけどね。」と子どもたちとつぶやいているだけでした。
悲しい鳴き声は一晩中聞こえていましたが、朝には静かになっていました。力尽きてしまったのか。うまく山へ帰ることができたのか。
奈良公園でゴミを拾って鹿を守る活動をしている反面、山の鹿は害獣、助けない。なんだか自分の思いに矛盾を感じる夜でした。
人と野生動物、共存のバランスってなかなかうまくいくものではないのでしょうが、互いが命を大切に暮らすことが出来たら、と願います。
参考:害獣・害鳥対策|野生動物や鳥から作物を守る!
https://agripick.com/1856