メンバーの安達(香)です。
身近な野生動物たちとの共存を全力で考えた! 動物行動学者、モモンガに怒られる』小林朋道・著(山と渓谷社)
新聞の広告を見て、あまりに“どストライク”で、その日のうちにアマゾンでポチッた本。履歴を調べると、7月28日のことでした。

それから早3か月ほど、会社のPCの横に飾った(?)ままで、ときおり気の向いたページをさくっと読む状態が続いています。
そんな怠けた読み方をしているのにも関わらず、その都度
「ほぉー!」「そう、そう、その通り!」「言い得て妙!!」
という文章に当たります。

書籍『身近な野生動物たちとの共存を全力で考えた!  動物行動学者、モモンガに怒られる』表紙画像

例えば『小さな島に一頭だけで生きるシカ』の章。
なぜか雌鹿が一頭だけが生息している小さな無人島があって、本来ならば荒れ放題の山林が、ある区域だけみごとな里山になっていることに気づく話です。

里山といえば、近年人間によってどんどん破壊され、それによって野生動物との住みわけが難しくなり、問題となっています。
それが、シカ一頭でも適切な密度で生息すると、見事に形成されるというのです。

著者はこう言います。【私は、基本的に、地球上の人間社会をとりまく自然生態系は、地球規模の「ヒトの生命維持装置」だと、肝に銘じるべきだと思っている。】
そして、宇宙ステーションを例にして、人間がその中で普通に行動できているのは、様々な生命維持装置があるからであって、一つでもその装置が故障するとたちまち危険な状態になるのは明白で、【いっぽう、地球のヒト生命維持装置は、食物連鎖を中心にした自然生態系であり、“部品”は、一種ごとの野生生物種である。】と。

現在の地球温暖化などの環境問題は、すなわちヒトの生命維持装置が故障、劣化してきている状態であって、ヒトは自分で自分の首をしめていることになるのです。
スケールが大きすぎて人ごとにようになっている環境問題、こんな風に説明されるとストンと心に落ちませんか。

“ヒトだけが便利に快適に暮らせればいい”という上からの目線を、本当に反省し、変えないといけないのです。